○餡粉(あんこな)
餡を乾燥させた粉末状の製品。昔は、米や麦の粉でつくった生地の中に包んだ中身を全て「餡」といった。いまでいう肉まんの中身をさしていたようだが、仏教で肉食が避けられ代わりに豆類が使われるようになっても、そのまま餡といわれたと伝えられている。
豆は、吸水し、過熱されることで澱粉粒子をタンパク質が薄く包み、なめらかな餡状になる。したがって豆をそのまま乾燥したり、煎って粉にしても餡粉にはならない。豆に砂糖を加えて煮た餡は日本独特の食品であり、さまざまな菓子の食材として利用されている。
【製造方法】
製造方法によって、さらし餡とこし餡にわけられる。さらし餡は灰汁の少ない味なので、高級菓子に使われる。こし餡は水さらしをしないため、小豆の濃い味が残っている。
●さらし餡
1.小豆を煮てすりつぶし、布で漉す
2.表皮を取り除く
3.水さらしをして水を切り、乾燥する
●こし餡
1.小豆を煮てすりつぶし、布で漉す
2.表皮を取り除く
3.水を切り、乾燥する
【主な種類】
●赤餡
小豆や、そのほかの赤色の豆(金時豆、うずら豆、いんげん豆など)を原料として、赤色に仕上げた製品。
●白餡
大手亡豆などの白色の豆(白小豆、大手亡、大正白金時豆など)を原料に白色に仕上げた製品。
【栄養と機能性成分】
餡の原料は小豆である。
【保存と利用方法】
水分は6%以下なので、包装資材に傷がなければ1年以上経過しても変化しない。しかし、白餡の豆は脂肪分が比較的多いので、1年以上経つと油臭くなる。湿気のない容器に保存すること。練り餡や生餡はそのまま使えるが、餡粉は鍋に水を加えてかき混ぜてから約30分間静かにおき、水を充分吸って生餡の状態に戻してから砂糖などを混ぜて加熱してから利用する。
0 件のコメント:
コメントを投稿