2015年6月7日日曜日

○粟(あわ)

 イネ科の一年草であるアワの穂になる果実を乾燥させた製品。日本における五穀のひとつである。現在ではあまり食べられていないが、前後の食料不足に時は粟だけ炊いて粥にしたり、米に混ぜるなどして日常的に食べられていた。

【生態】

 東アジア原産で、穂は黄色く熟し垂れ下がる。生育期間が3~5ヶ月と短いため、ヒエとともに古くから庶民にとって重要な作物だった。日本には、縄文時代に渡来したと考えられている。温暖で乾燥した風土を好み高地でも栽培が可能な作物である。

 粳種と糯種があり、粟餅などの原料となるのは糯種、小鳥の餌などで市販されているのは粳種である。産地は熊本県、鹿児島県などが多く、ほかに長野県、青森県、岩手県、福島県、北海道などでも栽培されている。

【栄養と機能性成分】

 タンパク質、ビタミンB1、鉄分、ミネラルが豊富である。ほかの雑穀と比べてパントテン酸が多い。近年は健康志向から他の雑穀と合わせて五穀米、十穀米として市販されている。

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