2015年6月24日水曜日

銀杏

○銀杏(ぎんなん)

 イチョウ科の落葉大高木であるイチョウの種子を乾燥させた製品。イチョウの原産地は中国といわれている。仏教の伝来とともに朝鮮半島を経て日本に伝来し、神社、寺院などに多数植えられるようになった。現在は街路樹などに多く見られる。

 ぎんなんは古くから食用として親しまれているが、外種皮に独特の臭いがある。外種皮の中に、かたく白い種皮(鬼皮)に包まれた種子(胚乳部分)が入っており、取り出すのに手間がかかる。

 秋高くなると、街路樹にされているイチョウの木などにもぎんなんの実がなり、気軽に拾うことができるが、直接実に触ると手がかゆくなるので必ずゴム手袋をしてから拾う。

 拾った実を数日間土の中に埋めておくか、川などで攪拌しながら表皮をむき、よく洗って乾燥させればあとは調理して食べることができる。店頭で選ぶ場合は、白く丸みがあり、つやのあるものを選ぶ。茶碗蒸しや鍋物などの料理の引き立て役になることが多い。あまり食べ過ぎると吐いたり、鼻血が出たりするので少しずつ食べるようにする。炒めたぎんなんは咳、痰、保湿効果があるといわれている。

【生 態】

 秋の早い時期から実がなり始め、11月過ぎに実が入ってくるので収穫する。イチョウの木は落葉樹で雌雄異株。4月に若葉と同時に花が咲き花粉が風に乗って雌花につき、秋になると精子を出して雌花の中で受精する。

【主な種類】

 東北地方から九州地方にかけて採取できるが、産地は秋田県、新潟県、愛知県、福岡権、大分県などが有名である。なかでも大分県産の丸ぎんなんは実が大きく人気がある。品種は金兵衛、久寿、藤九郎などがある。

【栄養と機能性成分】

 脂質、糖質、タンパク質、ビタミンA・B群、ビタミンC、鉄分、カリウムなどを含む。滋養強壮の薬膳として人気がある。

【保存と利用方法】

 乾物扱いではあるが、種子は水分が多いので高温になるとカビが生える。長期間経つと水分が蒸発してカラカラになるので、その前に加工する。殻のままビニール袋などに入れて冷暗所か冷蔵庫で保管する。

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