2015年7月4日土曜日

桜の葉

○桜の葉(さくらのは)

 バラ科の落葉高木、または低木である桜の葉を乾燥させた製品。桃の節句(雛祭り、3月3日)によくつくられる桜餅の材料として欠かせない。静岡県の松崎を中心に伊豆地方で生産されている。桜餅は江戸時代から庶民の間で親しまれてきたが、桃の節句のとき添えられるようになったのは比較最近のことである。

【生 態】

 どの桜の葉でも食用にすることはできるが、伊豆半島や伊豆諸島、房総半島に自生する大島桜という品種の葉が大きいため、食用に使用されることが多い。3~4月にかけて、白色の花を咲かすのと同時に若葉がしげる。

【製造方法】

 桜の葉は5~9月にかけて摘み取られ、スギの樽に塩漬けされる。スギの樽を使うことによってあくが吸い取られ、きれいな別甲色に仕上がる。

【保存と利用方法】

 桜の葉の香の主成分はクマリンである。クマリンは生のサクラの葉が糖と結合し、塩水に浸かって加水分解することでうまれる、また、スギの樽に生育している微生物なども影響を与え、独特の風味がうまれる。近年は桜の葉の乾物はあまり出回っていない。

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