○石蓴(あおさ)
アオサ科の緑藻であるアオサを乾燥させた製品。太平洋沿岸や朝鮮半島をはじめ日本各地の沿岸に生育している。ヒトエグサ、またはバンドウアオとも一般的に呼ばれている。食用にされることは少ないが、養殖もされており、三重県の伊勢志摩地域での生産量は市販製品の75%を占めている。沖縄県では「アーサ」とも呼ばれている。
【生 態】
浅瀬の岩場に付着して成長し、海水に浮遊した状態でも育つ。穴の開いた円形の平たい海藻である。そのまま食用とするにはかたいが、大量に採取できるため、乾燥させて粉末状に加工して青粉、ふりかけ、海苔の佃煮の原料として利用されている。
晩秋から初春にかけて採取されるが、特に3月頃が多い。大量繁殖し、沿岸に漂着したアオサは飼料などに利用される。三重県の伊勢志摩湾、千葉県の夷隅川、沖縄県などが主な産地である。
【栄養と機能性成分】
βカロチン、ビタミンB2、葉酸、カリウム、マグネシウムなどが他の海藻同様に多い。
【保存と利用方法】
湿気を吸湿しやすく、また、変色もしやすいので開封後は冷蔵庫保管が望ましい。特有の味と香りをもっているので、そのままお好み焼き、ふりかけ、海苔佃煮、酢の物、味噌汁などに利用される。
2015年10月2日金曜日
2015年10月1日木曜日
蕨粉
○蕨粉(わらびこ)
山野に自生するイノモトソウ科のシダであるワラビの根からとった澱粉のこと。岩手県、秋田県、岐阜県、高知県の山間部でごく少量生産されたが、現在はほとんど生産されていない。和菓子のわらび餅などに使う。
山野に自生するイノモトソウ科のシダであるワラビの根からとった澱粉のこと。岩手県、秋田県、岐阜県、高知県の山間部でごく少量生産されたが、現在はほとんど生産されていない。和菓子のわらび餅などに使う。
2015年9月27日日曜日
レンズ豆
○レンズ豆
マメ科の一年草であるヒラマメの種子を乾燥させた製品。中米や南ヨーロッパ、イタリア、西アジアなど、さまざまな地域からの輸入品が多く赤レンズ豆と青レンズ豆がある。インドのほか、世界各地でスープの中に入れるなどして日常的に食べられている。
マメ科の一年草であるヒラマメの種子を乾燥させた製品。中米や南ヨーロッパ、イタリア、西アジアなど、さまざまな地域からの輸入品が多く赤レンズ豆と青レンズ豆がある。インドのほか、世界各地でスープの中に入れるなどして日常的に食べられている。
2015年9月24日木曜日
2015年9月22日火曜日
麦焦し
○麦焦し(むぎこがし)
イネ科の越年草であるオオムギを煎ってから粉にした製品。関西では裸ムギで製造する。地域によって異なる呼び名があり、関西では「はったい粉」、日本海側では「こうせん」などと呼ぶ。砂糖を加えたそのまま食べたり、水またはお湯で練って食べる。
イネ科の越年草であるオオムギを煎ってから粉にした製品。関西では裸ムギで製造する。地域によって異なる呼び名があり、関西では「はったい粉」、日本海側では「こうせん」などと呼ぶ。砂糖を加えたそのまま食べたり、水またはお湯で練って食べる。
2015年9月16日水曜日
干し湯葉
○干し湯葉(ほしゆば)
投入を煮立て、表面にできる薄い膜をすくいとったのが生湯葉で、乾燥させた製品が干し湯葉である。湯葉の歴史は古く、いまから1200年前、最澄が中国から持ち帰ったといわれている。
日本に最初に湯葉が伝わったのは京都の比叡山の天台宗総本山延暦寺で、精進料理の材料として使われ、坊さんにとても好まれた。江戸時代の文献「豆腐百珍」(1782年)には湯葉料理が記載されており、いろいろな種類が作られ一般庶民にも広まった、とある。
保存性が高く、精進料理や会席料理ならではの食材として大豆加工品の中でも最高級品である。近年は和食だけでなく、洋食などにも健康的な食材として利用されている。
【名 称】
豆乳の表面がしわになり姥の顔に似ているので「うば」と呼ばれた。また、豆腐の「うわもの」の音が濁って「ゆば」になった、ともいわれている。
【製造方法】
①ダイズをひと晩水に浸けて戻す。
②水を注ぎながら挽く。
③大釜で煮て、布でこして豆乳を作る。
④深さ5~10cmくらいの木枠で仕切った鍋に移し、微調整された火にかけ熱を加えて、じっくりと皮膜を作り上げる。
⑤皮膜を竹串でそっと引き上げる。引き上げは湯葉の張り具合や火加減を見ながら、早からず遅からず絶妙なタイミングで1枚1枚ていねいにそっと引き上げる。職人技である。
⑥半乾燥のところを切り、成形してから温風乾燥する。
【主な種類】
干し湯葉には、さまざまな形に加工した製品があり、以下に紹介する製品のほかにも、小巻湯葉、結び湯葉、竹湯葉、平湯葉などがある。
●大原木湯葉
真ん中を昆布で結んだ京湯葉。湯葉と湯葉の間にだしがしみこんで旨味をひきだす。
●巻き湯葉
湯葉を幾重にもまいてつくる。水分を含むと広がってボリューム感が出る。
●蝶々湯葉
蝶々のようなかたちに成形した湯葉。料理の華添えになる。
●京湯葉
京都周辺で生産される湯葉。仕上がりが平たいので板湯葉として多く加工され、寺院、京料理店や土産物として販売されている。
●日光湯葉
日光周辺で生産される湯葉。京都で作られていた湯葉は、日光開山のときに修験者たちによって日光に持ち込まれ、その消化吸収と豊富な栄養から、貴重なタンパク源として江戸時代に二社一寺に供え物として納められたという。日光湯葉は「湯波」と書くことが多い。
【栄養と機能性成分】
湯葉は、豆乳からつくるので大豆加工品と同じ栄養価があり、消化吸収がよく少量でも栄養価が高い。鉄分のほか、亜鉛、カリウム、ミネラルなどが豊富で子供や高齢者の栄養補給に適している。
【保存と利用方法】
常温で3ヶ月くらいを目安に保存する。強い紫外線に当たると酸化してしまうので、冷暗所で保管する。乾燥したままお吸い物に直接入れたり、弱火でゆっくり火をとおせばよい。その際、湯葉が吸う分、煮汁をやや多めにする。強火で火をとおすと身がかたくなるので注意する。
投入を煮立て、表面にできる薄い膜をすくいとったのが生湯葉で、乾燥させた製品が干し湯葉である。湯葉の歴史は古く、いまから1200年前、最澄が中国から持ち帰ったといわれている。
日本に最初に湯葉が伝わったのは京都の比叡山の天台宗総本山延暦寺で、精進料理の材料として使われ、坊さんにとても好まれた。江戸時代の文献「豆腐百珍」(1782年)には湯葉料理が記載されており、いろいろな種類が作られ一般庶民にも広まった、とある。
保存性が高く、精進料理や会席料理ならではの食材として大豆加工品の中でも最高級品である。近年は和食だけでなく、洋食などにも健康的な食材として利用されている。
【名 称】
豆乳の表面がしわになり姥の顔に似ているので「うば」と呼ばれた。また、豆腐の「うわもの」の音が濁って「ゆば」になった、ともいわれている。
【製造方法】
①ダイズをひと晩水に浸けて戻す。
②水を注ぎながら挽く。
③大釜で煮て、布でこして豆乳を作る。
④深さ5~10cmくらいの木枠で仕切った鍋に移し、微調整された火にかけ熱を加えて、じっくりと皮膜を作り上げる。
⑤皮膜を竹串でそっと引き上げる。引き上げは湯葉の張り具合や火加減を見ながら、早からず遅からず絶妙なタイミングで1枚1枚ていねいにそっと引き上げる。職人技である。
⑥半乾燥のところを切り、成形してから温風乾燥する。
【主な種類】
干し湯葉には、さまざまな形に加工した製品があり、以下に紹介する製品のほかにも、小巻湯葉、結び湯葉、竹湯葉、平湯葉などがある。
●大原木湯葉
真ん中を昆布で結んだ京湯葉。湯葉と湯葉の間にだしがしみこんで旨味をひきだす。
●巻き湯葉
湯葉を幾重にもまいてつくる。水分を含むと広がってボリューム感が出る。
●蝶々湯葉
蝶々のようなかたちに成形した湯葉。料理の華添えになる。
●京湯葉
京都周辺で生産される湯葉。仕上がりが平たいので板湯葉として多く加工され、寺院、京料理店や土産物として販売されている。
●日光湯葉
日光周辺で生産される湯葉。京都で作られていた湯葉は、日光開山のときに修験者たちによって日光に持ち込まれ、その消化吸収と豊富な栄養から、貴重なタンパク源として江戸時代に二社一寺に供え物として納められたという。日光湯葉は「湯波」と書くことが多い。
【栄養と機能性成分】
湯葉は、豆乳からつくるので大豆加工品と同じ栄養価があり、消化吸収がよく少量でも栄養価が高い。鉄分のほか、亜鉛、カリウム、ミネラルなどが豊富で子供や高齢者の栄養補給に適している。
【保存と利用方法】
常温で3ヶ月くらいを目安に保存する。強い紫外線に当たると酸化してしまうので、冷暗所で保管する。乾燥したままお吸い物に直接入れたり、弱火でゆっくり火をとおせばよい。その際、湯葉が吸う分、煮汁をやや多めにする。強火で火をとおすと身がかたくなるので注意する。
2015年9月15日火曜日
干し大根
○干し大根(ほしだいこん)
アブラナ科の二年草であるダイコンを千切り、あるいは薄切りにして乾燥させた製品。冬場につくり、冬の生野菜が不足する時期が最需要期となる。保存食として長年親しまれている製品で、北から南まで日本各地でつくられており、地方独特の作り方や食べ方がある。秋の台風や気候条件で生産量が大きく変わるため、年間の価格が大きく相場に反映される製品である。
干し大根の中でも全国的に流通しているのは切り干し大根である。生産の中心は千葉県、愛知県の渥美半島、宮崎県と移動し、それにともない干し大根にむく青首大根も移植されてきた。切り干し大根は、江戸時代初期に凶作対策として開発された保存食であった。現在市販されているものは、宮崎県産が全体の90%を占めている。
【名 称】
切り干し大根と関東地方では呼ぶが、千切り大根と呼ぶ地方もある。地方によって呼び名が異なる。
【生 態】
大根は3世紀頃、中国から朝鮮半島を経て日本に持ち込まれたといわれている。中国の大根は大型で水分の多い華南系と、皮に色があり澱粉質が多く耐寒性のある華北系がある。この2系統とも日本に伝来し、時代とともに交雑が進み各地区の気候風土に合うさまざまな品種が誕生した。
その中でも、干し大根に向くのは青首大根である。華北系の子孫であった愛知県の宮重大根を改良した品種であり、成長が早く病気に強い。また、澱粉質が多く水分が少なく、大根に鬆が入りにくいことから乾物加工に最適な品種である。乾物に加工する前の年の秋(8月後半~9月上旬)に畑を整地し、青首大根の種をまき、12月下旬~2月中旬頃に収穫する。
宮崎県の北部地区、国富、西部、綾町、新富、宮崎市、尾鈴などで約80%生産されており、田野町、清武、木花地区でも約20%生産されている。山間部でも作付されているが、特に北部地区は平野部であるため作付面積が広く、風が強いため異物の混入が少ない。
南部地区は切り干し大根以外につぼ漬大根も生産しており、材料であるダイコンの質が高いため干し大根の品質もよい。また、北部地区より約5℃前後気温が低いため乾燥作業の効率がよく、色が白く仕上がりダイコンの旨味が表面に出にくいため、よいものができる。
【製造方法】
宮崎県で行われている天日干しの製造方法は次の通り。
①収穫したダイコンを洗い、青首と尾をカットする。
②千切りスライサーで3mmにカットする(地区によってサイズは異なる)。
③外気温が5℃前後の冬の寒い時期、霧島の寒風が吹く日に畑に木材を組んでその上にむしろを敷いてカットしたダイコンを広げ、日光と寒風で1~2日天日乾燥させて収穫する。
【おもな種類】
●ゆで干し大根
ゆがき大根とも呼ばれる。長崎県の五島列島や西彼杵半島の西海市の特産品で、大蔵大根を太めの千切りにしてゆでて天日干しした製品。ソフトな食感と甘味があり、味、風味ともによく、保存性も高い。
●蒸し干し大根
青首大根を蒸してから干した製品。ゆで干し大根同様、長崎県の五島列島や西彼杵半島の西海市で生産されている。
●花切り大根
ダイコンを薄く銀杏形に切って干したもので、徳島県の特産品。
●割り干し大根
ダイコンを太く縦に裂いて長く紐に吊るし、干した製品。岡山県では割り干し大根を小花切りにして、はりはり漬けなどに利用される。
●寒干し大根
輪切りにしてゆでたダイコンを吊るし、干しあげた製品。寒い地域でのみ生産される。新潟県などでは薄い銀杏形に切って干したものを寒干し大根と呼んでいる。
●丸切り大根
ダイコンを薄い輪切りにし、干した製品。西日本や瀬戸内などの特産品である。
●氷大根
夜間氷点下になる地域で、縦に割るか輪切りにしたダイコンを軒下などに吊るし、凍らせて乾燥干しした製品。凍み大根とも呼ぶ。雪国独特の保存食品として、福島県や山形県、中部地方の山間部などでつくられている。
【栄養と機能性成分】
生大根より水分が減った分、成分が凝縮されているので栄養価は高く、特にカルシウム、鉄分を多く含んでいる。また、現代人に不足気味の食物繊維、カリウムも豊富。乾燥によって独特の歯ごたえがうまれている。
【保存と利用方法】
製造後長くおくと、褐色になってしまう。これは、ダイコンの成分であるアミノ酸(アルミノカルボニル)と糖が反応し酸化してしまうためである。梅雨時期や夏にかけて変質しやすいので家庭の冷蔵庫か冷凍庫などに保存する。また水戻ししたものをきつく絞って冷凍保存しておけば2ヶ月くらいはもつ。煮物も冷凍できる。切干し大根には独特の臭いがあるが、微生物が繁殖しているわけではなく、食べても害はない。
干し大根は、水に軽く浸けるだけで簡単に戻る。ゆで干し大根や花切り大根は加熱してあるので、戻りも早く調理も簡単である。ほかの乾物とも相性がよく、一緒に煮炊きできる。干し大根に含まれる澱粉の甘味があるため、特にだし汁とあわせると汁のおいしさが増す。
アブラナ科の二年草であるダイコンを千切り、あるいは薄切りにして乾燥させた製品。冬場につくり、冬の生野菜が不足する時期が最需要期となる。保存食として長年親しまれている製品で、北から南まで日本各地でつくられており、地方独特の作り方や食べ方がある。秋の台風や気候条件で生産量が大きく変わるため、年間の価格が大きく相場に反映される製品である。
干し大根の中でも全国的に流通しているのは切り干し大根である。生産の中心は千葉県、愛知県の渥美半島、宮崎県と移動し、それにともない干し大根にむく青首大根も移植されてきた。切り干し大根は、江戸時代初期に凶作対策として開発された保存食であった。現在市販されているものは、宮崎県産が全体の90%を占めている。
【名 称】
切り干し大根と関東地方では呼ぶが、千切り大根と呼ぶ地方もある。地方によって呼び名が異なる。
【生 態】
大根は3世紀頃、中国から朝鮮半島を経て日本に持ち込まれたといわれている。中国の大根は大型で水分の多い華南系と、皮に色があり澱粉質が多く耐寒性のある華北系がある。この2系統とも日本に伝来し、時代とともに交雑が進み各地区の気候風土に合うさまざまな品種が誕生した。
その中でも、干し大根に向くのは青首大根である。華北系の子孫であった愛知県の宮重大根を改良した品種であり、成長が早く病気に強い。また、澱粉質が多く水分が少なく、大根に鬆が入りにくいことから乾物加工に最適な品種である。乾物に加工する前の年の秋(8月後半~9月上旬)に畑を整地し、青首大根の種をまき、12月下旬~2月中旬頃に収穫する。
宮崎県の北部地区、国富、西部、綾町、新富、宮崎市、尾鈴などで約80%生産されており、田野町、清武、木花地区でも約20%生産されている。山間部でも作付されているが、特に北部地区は平野部であるため作付面積が広く、風が強いため異物の混入が少ない。
南部地区は切り干し大根以外につぼ漬大根も生産しており、材料であるダイコンの質が高いため干し大根の品質もよい。また、北部地区より約5℃前後気温が低いため乾燥作業の効率がよく、色が白く仕上がりダイコンの旨味が表面に出にくいため、よいものができる。
【製造方法】
宮崎県で行われている天日干しの製造方法は次の通り。
①収穫したダイコンを洗い、青首と尾をカットする。
②千切りスライサーで3mmにカットする(地区によってサイズは異なる)。
③外気温が5℃前後の冬の寒い時期、霧島の寒風が吹く日に畑に木材を組んでその上にむしろを敷いてカットしたダイコンを広げ、日光と寒風で1~2日天日乾燥させて収穫する。
【おもな種類】
●ゆで干し大根
ゆがき大根とも呼ばれる。長崎県の五島列島や西彼杵半島の西海市の特産品で、大蔵大根を太めの千切りにしてゆでて天日干しした製品。ソフトな食感と甘味があり、味、風味ともによく、保存性も高い。
●蒸し干し大根
青首大根を蒸してから干した製品。ゆで干し大根同様、長崎県の五島列島や西彼杵半島の西海市で生産されている。
●花切り大根
ダイコンを薄く銀杏形に切って干したもので、徳島県の特産品。
●割り干し大根
ダイコンを太く縦に裂いて長く紐に吊るし、干した製品。岡山県では割り干し大根を小花切りにして、はりはり漬けなどに利用される。
●寒干し大根
輪切りにしてゆでたダイコンを吊るし、干しあげた製品。寒い地域でのみ生産される。新潟県などでは薄い銀杏形に切って干したものを寒干し大根と呼んでいる。
●丸切り大根
ダイコンを薄い輪切りにし、干した製品。西日本や瀬戸内などの特産品である。
●氷大根
夜間氷点下になる地域で、縦に割るか輪切りにしたダイコンを軒下などに吊るし、凍らせて乾燥干しした製品。凍み大根とも呼ぶ。雪国独特の保存食品として、福島県や山形県、中部地方の山間部などでつくられている。
【栄養と機能性成分】
生大根より水分が減った分、成分が凝縮されているので栄養価は高く、特にカルシウム、鉄分を多く含んでいる。また、現代人に不足気味の食物繊維、カリウムも豊富。乾燥によって独特の歯ごたえがうまれている。
【保存と利用方法】
製造後長くおくと、褐色になってしまう。これは、ダイコンの成分であるアミノ酸(アルミノカルボニル)と糖が反応し酸化してしまうためである。梅雨時期や夏にかけて変質しやすいので家庭の冷蔵庫か冷凍庫などに保存する。また水戻ししたものをきつく絞って冷凍保存しておけば2ヶ月くらいはもつ。煮物も冷凍できる。切干し大根には独特の臭いがあるが、微生物が繁殖しているわけではなく、食べても害はない。
干し大根は、水に軽く浸けるだけで簡単に戻る。ゆで干し大根や花切り大根は加熱してあるので、戻りも早く調理も簡単である。ほかの乾物とも相性がよく、一緒に煮炊きできる。干し大根に含まれる澱粉の甘味があるため、特にだし汁とあわせると汁のおいしさが増す。
2015年9月8日火曜日
干し薇
○干し薇(ほしぜんまい)
ゼンマイ科のシダであるゼンマイの新芽を摘み取り、煮てから乾燥させた製品。雪解けの山間地ではいち早く芽を出す山菜として法事やおせちなどに人気があり、保存食としても利用される。得に山形県、福島県、新潟県、長野県産の製品が太くてやわらかいため良品とされている。
ぜんまいは、わらびと同様、山菜の代表的食材で人気があるが、山から採って加工、乾燥と手間がかかるため、近年は国産が少なく中国からの輸入品が多い。ワラビは原林や平地に生えるため天然の収穫量は多いが、ゼンマイは山間地に生えるため天然の収穫量は少ない。人工栽培も行われているが、時間と手間がかかるため高価である。
【名 称】
くるりと巻いた胞子葉が丸い銭のかたちに似ていることから、「ぜんまい」と呼ばれるようになったという説や、細いぜんまいを織物や手毬の芯に使ったことから「繊巻」と書くようになり、それがなまって「ぜんまい」になったという説などがある。
【生 態】
おもに山形県、福島県などの東北地方や、新潟県、長野県などの雪国の山間地に自生する。四国地方は、気候の関係で成長が早いので細いものが多い。
【製造方法】
国産のほとんどが天然物で人工栽培はごく少量である。山間地で人の手によって採られている。
①収穫後すぐに綿毛を取り、大きな鍋に入れてサッと煮る。
②急速に冷やしムシロに広げる。
③天日干ししながら手で何回も何回も揉み、水分をとばす。揉むことにより繊維質の部分がほぐれひねりが加わり独特の食感がうまれる。
④天日でよく乾燥する。
【おもな種類】
乾燥の方法によって、赤干し、青干しに分けられる。赤干しの製造方法は前述の通り。青干しとは、ゆでたゼンマイを網に広げて薪や松葉を燃やした火にかざし、煙の上で揉みながら乾燥させた製品である。赤干しは天日干ししたもので、もっともおいしいとされている。
【栄養と機能性成分】
赤血球の材料となる鉄分が豊富で、カロテン、ビタミンKが多い。最も期待できるのは食物繊維で、動脈硬化の予防が期待できるリグニンが含まれている。
【保存と利用方法】
湿気を嫌うので缶や瓶に入れて保存する。調理する前日から水に浸して戻しておく。多めに戻したときは冷凍すれば数ヶ月は保存できる。利用する前には、大きめの鍋に入れ熱湯をたっぷり注ぎ、フタをして2~3時間おく。赤い水が出るので捨てる。こうすることであくが抜け、やわらかく戻る。
ゼンマイ科のシダであるゼンマイの新芽を摘み取り、煮てから乾燥させた製品。雪解けの山間地ではいち早く芽を出す山菜として法事やおせちなどに人気があり、保存食としても利用される。得に山形県、福島県、新潟県、長野県産の製品が太くてやわらかいため良品とされている。
ぜんまいは、わらびと同様、山菜の代表的食材で人気があるが、山から採って加工、乾燥と手間がかかるため、近年は国産が少なく中国からの輸入品が多い。ワラビは原林や平地に生えるため天然の収穫量は多いが、ゼンマイは山間地に生えるため天然の収穫量は少ない。人工栽培も行われているが、時間と手間がかかるため高価である。
【名 称】
くるりと巻いた胞子葉が丸い銭のかたちに似ていることから、「ぜんまい」と呼ばれるようになったという説や、細いぜんまいを織物や手毬の芯に使ったことから「繊巻」と書くようになり、それがなまって「ぜんまい」になったという説などがある。
【生 態】
おもに山形県、福島県などの東北地方や、新潟県、長野県などの雪国の山間地に自生する。四国地方は、気候の関係で成長が早いので細いものが多い。
【製造方法】
国産のほとんどが天然物で人工栽培はごく少量である。山間地で人の手によって採られている。
①収穫後すぐに綿毛を取り、大きな鍋に入れてサッと煮る。
②急速に冷やしムシロに広げる。
③天日干ししながら手で何回も何回も揉み、水分をとばす。揉むことにより繊維質の部分がほぐれひねりが加わり独特の食感がうまれる。
④天日でよく乾燥する。
【おもな種類】
乾燥の方法によって、赤干し、青干しに分けられる。赤干しの製造方法は前述の通り。青干しとは、ゆでたゼンマイを網に広げて薪や松葉を燃やした火にかざし、煙の上で揉みながら乾燥させた製品である。赤干しは天日干ししたもので、もっともおいしいとされている。
【栄養と機能性成分】
赤血球の材料となる鉄分が豊富で、カロテン、ビタミンKが多い。最も期待できるのは食物繊維で、動脈硬化の予防が期待できるリグニンが含まれている。
【保存と利用方法】
湿気を嫌うので缶や瓶に入れて保存する。調理する前日から水に浸して戻しておく。多めに戻したときは冷凍すれば数ヶ月は保存できる。利用する前には、大きめの鍋に入れ熱湯をたっぷり注ぎ、フタをして2~3時間おく。赤い水が出るので捨てる。こうすることであくが抜け、やわらかく戻る。
2015年9月3日木曜日
干し椎茸
○干し椎茸(ほししいたけ)
マツタメ目キシメジ科に分類されるシイタケを干した製品(ヒラタケ科、ホウライタケ科、ツキヨタケ科、ハラタケ目キシメジ科という説もある)。干し椎茸は乾燥により生のシイタケよりも旨味が増すため、味や香りがよい。また、天日干しすることによって、エルゴステロールという物質がビタミンD2に変化し、栄養価も上がる。
現在、中国での生産が盛んである。中国産の干し椎茸は、日本産にくらべ乾燥しており比重が軽く、香りも弱い。近年、不正に日本から持ち出された日本国内の優良品種の種駒(椎茸菌を培養した木片)で栽培されており、安価な輸入品が増えている。これに対し日本が2001年にセーフガードを発動するなど貿易摩擦が起きたこともある。
生のシイタケは世界各地で親しまれており、英語、フランスなどでもそのまま日本語のshii-takeと呼ばれる。フランスでは生のシイタケが一般流通しており、比較的簡単に手に入る。近年ではオランダでも栽培するようになり、やはりshii-takeの名で販売されている。
【名 称】
名前の由来は「椎の木に多く発生する茸」だといわれている。香りがよい菌ということでかつては「香茸」とも呼ばれていた。
【生 態】
野生では、おもにナラ、カシ、シイ類などのブナ類の枯れ木に、春と秋に発生し、高地では夏に発生することも多い。短い円柱形の柄の先に傘を開く。枯れ木の側面に出ることも多く、その場合には柄が大きく曲がる。傘の表面は茶褐色で綿毛状の鱗片があり表面は白色で、細かい襞がある。
子実体の発生時期は初夏と秋で、適温は10~25℃と幅があり菌株によって異なる。発生時期によって名称が異なり、冬の寒い時期に発生したものを寒子、春に発生したものを春子、秋に発生したものを秋子、梅雨に発生したものを梅雨子、藤の花の頃に発生したものを藤子と呼ぶ。
シイタケは日本、中国、韓国などで食用に栽培されるほか、東南アジアの高山帯やニュージーランドにも分布する。日本では、大分県、徳島県、鳥取県、熊本県、宮崎県、群馬県、栃木、静岡県、長崎県、岩手県、秋田県などで栽培が盛んである。その中でも、干し椎茸の生産がとりわけ多いのは大分県と静岡県。
中国では石膏賞、福建省・湖南省などを中心として全土で生産されている。シイタケは日本中どこでも生育可能だが、基本的な条件は次の通り。
①直射日光が当たらない場所。
②冷えすぎず、温まる場所(冬期や早春には木漏れ日が当たる場所を選ぶ)
③水はけがよい場所。
④通風のよい場所。
【栽培方法】
次の2種類の栽培方法がある。
●原木栽培
ナラ、クヌギなどの広葉樹を伐採して枯らしたものを原木として使用する。原木に穴を開けて種駒を打ち込み、適度に日の当たるスギ林や竹林に設置する。収穫時期は、種駒を打ち込んで2年半経ってから、原木が朽ち果てるまでの5~6年間である。毎年収穫できるが、3年目くらいがおいしいとされる。
●菌床栽培
のこ屑にふすまや米糠などを混ぜてかためてから椎茸菌を植え、屋内で培養する方法。1990年(平成2)頃に開発された。5~6ヶ月で採取が可能で、温度、湿度の管理を人工的に調節することができるため、年間を通じて栽培することができる。
菌床栽培が広まっているのは、原木の伐採や運搬に労力がかかるうえ、栽培期間の長い原木栽培に比べて手軽に栽培できるためである。しかし、菌床栽培で育った椎茸は原木栽培したものに比べて香りが乏しい。
【主な種類】
シイタケは発生後、生長とともに大きく厚くなり、傘が開いていく。傘の開き具合によって呼び名が異なる。次にあげる冬菇、天白冬菇、香信、香冬、ばれ葉は傘の開き具合や育った環境が異なるのみで、厚木や菌、産地などは変わらない。
●冬菇
七分開きにならないうちに採取したもの。気温が低くなる晩秋から早春にかけて育った秋子や寒子に多くみられる。肉厚椎茸。気温が低く乾燥した天候が続けば冬菇のまま大きくなる。
●天白冬菇
冬菇の中でも、肉厚な傘の表面に白い亀裂が入っているもの。気温5~8℃、湿度35%以下の環境で、30日かけてゆっくりと育った冬菇。花が開いたように見えるため人気があり最高級品とされ花冬菇とも呼ばれる。
●香信
傘が七分以上開いており肉厚なもの。2~5月に成長する春子に多い。気温が急に上がって雨が降ると、いっせいに傘が開いて香信になる。
●香菇
七分開きになってから採取したもの。冬菇と香信の中間に位置する。肉厚で大ぶり。
●ばれ葉
採取の遅れにより、傘が開きすぎて肉薄になったもの。気温が急に上がって雨が降ると、いっせいに傘が開いて香信になる。低価格で水戻しも早く、日常の料理に便利。
【製造方法】
生シイタケは傷みやすいため、採取したらすぐに乾燥させる必要がある。乾燥は機械で人工的に行われている。少しでも水分があるとカビや虫が発生してしまうため、天日でゆっくり乾燥させているうちに傷んでしまう。そのため、江戸時代も天日ではなく炭火で乾燥させていたといわれている。
現在は40~55℃で15~20時間かけて熱風乾燥したのち、遠赤外線乾燥機を使って内部温度を80℃にして仕上げる。「天日干し」の名で販売されている商品は、機械乾燥ののち、天日に1~3時間干した製品である。
【栄養と機能性成分】
微生物の子実体であるキノコは、動植物にはない成分を含んでいることが多く、なかでもシイタケは特に多い。特に注目すべきなのは、エルゴステロールという成分である。
エルゴステロールは、太陽光(紫外線)を受けるとシイタケの中でビタミンDに変わり、それを摂取するとカルシウムの腸からの吸収を促すといわれている。冬菇10個で、1日分のビタミンDの目安量がとれる。機械乾燥品は紫外線をあまり浴びていないのでビタミンDは期待できない。
天日干ししたシイタケも空気にさらされることによって1ヵ月半ほど経つとビタミンDが半減してしまうという。しかし、利用する直前に傘の裏を上に向けて盆ざるなどに並べ天日干しすると、エルゴステロールがビタミンDに変化し、保存中に失われたビタミンDを回復することができる。生のシイタケを家庭で天日干しにしても同じ効果が得られるが、完全に乾燥させて干しシイタケを作るのは難しい。真夏の強い日差しに、乾燥した天候などの条件が揃ったところで数日干せばできるかもしれないが、乾燥する前に傷んでしまう可能性が高い。
また、干し椎茸には100g中、41gもの食物繊維が含まれているので1枚(3g)5.5Kcalと低エネルギーである。食物繊維の大半は不溶性のセルロースやリグニンなどで、腸内の善玉細菌のエサとなってビタミンB2の生成を促し、免疫力を高める。
そのほか、エリタデニンというシイタケ特有の成分があり、これは血中コレステロールを低下させる作用があるといわれている。加熱したり乾燥しても失われないが、干しシイタケを戻すとき、溶け出してしまうので、戻し汁も使うと摂取することができる。また、多糖類のひとつであるレンチナンも含んでいる。レンチナンは、がんなどの悪性腫瘍の発育を阻止する作用があるとされ、胃がんの治療薬に使われている。
【保存と利用方法】
干し椎茸の賞味期限は約1年である。しかし、適切な環境で保存すれば2年ほどもつ。開封したら、湿気と直射日光を避け、密封できる容器に入れて冷暗所か冷蔵庫で保存すること。出し入れするときに湿気が入ってしまう可能性があるので、小さいパックにするとなおよい。ふくめ煮には冬菇だが薄切りにするなら香信でも十分。みじん切りにするならスライス製品でもよい。用途によって使い分ける。
干し椎茸は水に浸けて戻してから調理する。芯までふっくら戻るまでにはひと晩かかる。戻している間に、栄養成分の上でも大きな変化がおきている。まず、シイタケに含まれている酵素が働き、香り成分であるレンチオニンと旨味成分のグアニル酸が生成される。そしてグルタミン酸、アラニンなど、旨味を増すアミノ酸がつくられる。急ぐ場合、電子レンジを使うとよいが、急激に加熱すると酵素の働きが失われてしまうため、香りや旨味が少なくなってしまう。
マツタメ目キシメジ科に分類されるシイタケを干した製品(ヒラタケ科、ホウライタケ科、ツキヨタケ科、ハラタケ目キシメジ科という説もある)。干し椎茸は乾燥により生のシイタケよりも旨味が増すため、味や香りがよい。また、天日干しすることによって、エルゴステロールという物質がビタミンD2に変化し、栄養価も上がる。
現在、中国での生産が盛んである。中国産の干し椎茸は、日本産にくらべ乾燥しており比重が軽く、香りも弱い。近年、不正に日本から持ち出された日本国内の優良品種の種駒(椎茸菌を培養した木片)で栽培されており、安価な輸入品が増えている。これに対し日本が2001年にセーフガードを発動するなど貿易摩擦が起きたこともある。
生のシイタケは世界各地で親しまれており、英語、フランスなどでもそのまま日本語のshii-takeと呼ばれる。フランスでは生のシイタケが一般流通しており、比較的簡単に手に入る。近年ではオランダでも栽培するようになり、やはりshii-takeの名で販売されている。
【名 称】
名前の由来は「椎の木に多く発生する茸」だといわれている。香りがよい菌ということでかつては「香茸」とも呼ばれていた。
【生 態】
野生では、おもにナラ、カシ、シイ類などのブナ類の枯れ木に、春と秋に発生し、高地では夏に発生することも多い。短い円柱形の柄の先に傘を開く。枯れ木の側面に出ることも多く、その場合には柄が大きく曲がる。傘の表面は茶褐色で綿毛状の鱗片があり表面は白色で、細かい襞がある。
子実体の発生時期は初夏と秋で、適温は10~25℃と幅があり菌株によって異なる。発生時期によって名称が異なり、冬の寒い時期に発生したものを寒子、春に発生したものを春子、秋に発生したものを秋子、梅雨に発生したものを梅雨子、藤の花の頃に発生したものを藤子と呼ぶ。
シイタケは日本、中国、韓国などで食用に栽培されるほか、東南アジアの高山帯やニュージーランドにも分布する。日本では、大分県、徳島県、鳥取県、熊本県、宮崎県、群馬県、栃木、静岡県、長崎県、岩手県、秋田県などで栽培が盛んである。その中でも、干し椎茸の生産がとりわけ多いのは大分県と静岡県。
中国では石膏賞、福建省・湖南省などを中心として全土で生産されている。シイタケは日本中どこでも生育可能だが、基本的な条件は次の通り。
①直射日光が当たらない場所。
②冷えすぎず、温まる場所(冬期や早春には木漏れ日が当たる場所を選ぶ)
③水はけがよい場所。
④通風のよい場所。
【栽培方法】
次の2種類の栽培方法がある。
●原木栽培
ナラ、クヌギなどの広葉樹を伐採して枯らしたものを原木として使用する。原木に穴を開けて種駒を打ち込み、適度に日の当たるスギ林や竹林に設置する。収穫時期は、種駒を打ち込んで2年半経ってから、原木が朽ち果てるまでの5~6年間である。毎年収穫できるが、3年目くらいがおいしいとされる。
●菌床栽培
のこ屑にふすまや米糠などを混ぜてかためてから椎茸菌を植え、屋内で培養する方法。1990年(平成2)頃に開発された。5~6ヶ月で採取が可能で、温度、湿度の管理を人工的に調節することができるため、年間を通じて栽培することができる。
菌床栽培が広まっているのは、原木の伐採や運搬に労力がかかるうえ、栽培期間の長い原木栽培に比べて手軽に栽培できるためである。しかし、菌床栽培で育った椎茸は原木栽培したものに比べて香りが乏しい。
【主な種類】
シイタケは発生後、生長とともに大きく厚くなり、傘が開いていく。傘の開き具合によって呼び名が異なる。次にあげる冬菇、天白冬菇、香信、香冬、ばれ葉は傘の開き具合や育った環境が異なるのみで、厚木や菌、産地などは変わらない。
●冬菇
七分開きにならないうちに採取したもの。気温が低くなる晩秋から早春にかけて育った秋子や寒子に多くみられる。肉厚椎茸。気温が低く乾燥した天候が続けば冬菇のまま大きくなる。
●天白冬菇
冬菇の中でも、肉厚な傘の表面に白い亀裂が入っているもの。気温5~8℃、湿度35%以下の環境で、30日かけてゆっくりと育った冬菇。花が開いたように見えるため人気があり最高級品とされ花冬菇とも呼ばれる。
●香信
傘が七分以上開いており肉厚なもの。2~5月に成長する春子に多い。気温が急に上がって雨が降ると、いっせいに傘が開いて香信になる。
●香菇
七分開きになってから採取したもの。冬菇と香信の中間に位置する。肉厚で大ぶり。
●ばれ葉
採取の遅れにより、傘が開きすぎて肉薄になったもの。気温が急に上がって雨が降ると、いっせいに傘が開いて香信になる。低価格で水戻しも早く、日常の料理に便利。
【製造方法】
生シイタケは傷みやすいため、採取したらすぐに乾燥させる必要がある。乾燥は機械で人工的に行われている。少しでも水分があるとカビや虫が発生してしまうため、天日でゆっくり乾燥させているうちに傷んでしまう。そのため、江戸時代も天日ではなく炭火で乾燥させていたといわれている。
現在は40~55℃で15~20時間かけて熱風乾燥したのち、遠赤外線乾燥機を使って内部温度を80℃にして仕上げる。「天日干し」の名で販売されている商品は、機械乾燥ののち、天日に1~3時間干した製品である。
【栄養と機能性成分】
微生物の子実体であるキノコは、動植物にはない成分を含んでいることが多く、なかでもシイタケは特に多い。特に注目すべきなのは、エルゴステロールという成分である。
エルゴステロールは、太陽光(紫外線)を受けるとシイタケの中でビタミンDに変わり、それを摂取するとカルシウムの腸からの吸収を促すといわれている。冬菇10個で、1日分のビタミンDの目安量がとれる。機械乾燥品は紫外線をあまり浴びていないのでビタミンDは期待できない。
天日干ししたシイタケも空気にさらされることによって1ヵ月半ほど経つとビタミンDが半減してしまうという。しかし、利用する直前に傘の裏を上に向けて盆ざるなどに並べ天日干しすると、エルゴステロールがビタミンDに変化し、保存中に失われたビタミンDを回復することができる。生のシイタケを家庭で天日干しにしても同じ効果が得られるが、完全に乾燥させて干しシイタケを作るのは難しい。真夏の強い日差しに、乾燥した天候などの条件が揃ったところで数日干せばできるかもしれないが、乾燥する前に傷んでしまう可能性が高い。
また、干し椎茸には100g中、41gもの食物繊維が含まれているので1枚(3g)5.5Kcalと低エネルギーである。食物繊維の大半は不溶性のセルロースやリグニンなどで、腸内の善玉細菌のエサとなってビタミンB2の生成を促し、免疫力を高める。
そのほか、エリタデニンというシイタケ特有の成分があり、これは血中コレステロールを低下させる作用があるといわれている。加熱したり乾燥しても失われないが、干しシイタケを戻すとき、溶け出してしまうので、戻し汁も使うと摂取することができる。また、多糖類のひとつであるレンチナンも含んでいる。レンチナンは、がんなどの悪性腫瘍の発育を阻止する作用があるとされ、胃がんの治療薬に使われている。
【保存と利用方法】
干し椎茸の賞味期限は約1年である。しかし、適切な環境で保存すれば2年ほどもつ。開封したら、湿気と直射日光を避け、密封できる容器に入れて冷暗所か冷蔵庫で保存すること。出し入れするときに湿気が入ってしまう可能性があるので、小さいパックにするとなおよい。ふくめ煮には冬菇だが薄切りにするなら香信でも十分。みじん切りにするならスライス製品でもよい。用途によって使い分ける。
干し椎茸は水に浸けて戻してから調理する。芯までふっくら戻るまでにはひと晩かかる。戻している間に、栄養成分の上でも大きな変化がおきている。まず、シイタケに含まれている酵素が働き、香り成分であるレンチオニンと旨味成分のグアニル酸が生成される。そしてグルタミン酸、アラニンなど、旨味を増すアミノ酸がつくられる。急ぐ場合、電子レンジを使うとよいが、急激に加熱すると酵素の働きが失われてしまうため、香りや旨味が少なくなってしまう。
2015年9月1日火曜日
干し菊
○干し菊(ほしきく)
食用キクの花の部分を蒸して海苔状にすいて乾燥した製品。菊海苔とも呼ばれる。現在食用とされているキクは60種。山形県では滋紅紫の「延命楽」、青森県では「阿房宮」という品種が生産されている。
【名 称】
「延命楽」は「もってのほか」という通称でも親しまれる。
【生 態】
青森県、岩手県、福島県、新潟県など東北北陸地方で栽培されており、青森県では主に「阿房宮」が生産されている。阿房宮という名前は、秦の始皇帝が長安北西に建立した宮殿の名前からとったもの。
観賞用菊の「黄金球」からうまれた品種で、江戸時代に南部(青森県南部町)藩主が京都の九条家の庭に咲いている阿房宮を株分けし藩内に植えたのが、青森県での栽培の始まりだといわれている。南部町では10月中旬から霜の降りる11月中旬にかけて満開となり、収穫される。冷涼地で生産されたものは、特有の芳香、甘味、色彩が優れている。
【製造方法】
①キクの花を鎌で刈り取る。
②花びらをむしり、せいろの形に平均にならす。
③100℃近くの蒸気で蒸す。
④乾燥室に入れて約18時間乾燥する。
【主な種類】
阿房宮は黄色の小輪種で八重咲きの品種。青森県、岩手県などが産地である。延命楽は明るい赤紫の中輪種で八重咲きの品種。山形県、新潟県などが産地である。
【栄養と機能性成分】
食用キクはアルカリ性のため、コレステロールを除去するなど血液の流れをきれいにする作用がある。また、高血圧予防に効果があるといわれているカリウムも含んでいる。
【保存と利用方法】
12月から春の彼岸頃が販売期であり、気温が高くなると変色し、虫がつくことがあるので乾燥した状態で保存する。さっと湯がくだけで鮮やかな彩りと味わいを取り戻す。酢の物はもちろん、大根なますとあわせて「菊なます」にしたり、刺身のつまの彩りとする。
食用キクの花の部分を蒸して海苔状にすいて乾燥した製品。菊海苔とも呼ばれる。現在食用とされているキクは60種。山形県では滋紅紫の「延命楽」、青森県では「阿房宮」という品種が生産されている。
【名 称】
「延命楽」は「もってのほか」という通称でも親しまれる。
【生 態】
青森県、岩手県、福島県、新潟県など東北北陸地方で栽培されており、青森県では主に「阿房宮」が生産されている。阿房宮という名前は、秦の始皇帝が長安北西に建立した宮殿の名前からとったもの。
観賞用菊の「黄金球」からうまれた品種で、江戸時代に南部(青森県南部町)藩主が京都の九条家の庭に咲いている阿房宮を株分けし藩内に植えたのが、青森県での栽培の始まりだといわれている。南部町では10月中旬から霜の降りる11月中旬にかけて満開となり、収穫される。冷涼地で生産されたものは、特有の芳香、甘味、色彩が優れている。
【製造方法】
①キクの花を鎌で刈り取る。
②花びらをむしり、せいろの形に平均にならす。
③100℃近くの蒸気で蒸す。
④乾燥室に入れて約18時間乾燥する。
【主な種類】
阿房宮は黄色の小輪種で八重咲きの品種。青森県、岩手県などが産地である。延命楽は明るい赤紫の中輪種で八重咲きの品種。山形県、新潟県などが産地である。
【栄養と機能性成分】
食用キクはアルカリ性のため、コレステロールを除去するなど血液の流れをきれいにする作用がある。また、高血圧予防に効果があるといわれているカリウムも含んでいる。
【保存と利用方法】
12月から春の彼岸頃が販売期であり、気温が高くなると変色し、虫がつくことがあるので乾燥した状態で保存する。さっと湯がくだけで鮮やかな彩りと味わいを取り戻す。酢の物はもちろん、大根なますとあわせて「菊なます」にしたり、刺身のつまの彩りとする。
2015年8月27日木曜日
干し芋
○干し芋(ほしいも)
ヒルガオ科の多年草であるサツマイモを蒸して切り、乾燥した製品。干し芋の始まりは、1809年(文化6)頃に大藤村(静岡県盤田市)の大庭林蔵と稲垣甚八がサツマイモを蒸して厚切りにして乾燥させる製法を発明してからだといわれている。
そののち、明治41年に茨城県那珂湊(ひたちなか市)での生産が始まった。茨城県に干し芋製造を導入したのは、せんべい屋の湯浅藤吉だといわれている。
秋の味覚の代表であるサツマイモは糖質が多いが、体内に入ると糖質分解酵素が働く。皮の中は黄色をしており、カロチンとビタミンが多く熱に対しても強い。サツマイモを食べると胸焼けをおこしやすい人は、川ごと食べると体内での発酵が抑えられて胸焼けが起こりにくいという。茨城県ではサツマイモが学校給食にも使われている。
【名 称】
乾燥いも、いも切り干しともいう。茨城県と静岡県がおもな産地だが、ほかの地域でも生産されており、呼び名が異なる。愛媛県宇和島では「東山」、長崎県では「かんころ」、熊本県や鹿児島県では芋をスライスする機械をコッパケズリ、コッパキリなどと呼ぶことから「コッパ」と呼ばれているが、いずれも干し芋である。
【生 態】
サツマイモは繁殖力が強く、栽培方法も比較的簡単で収穫量の多い澱粉食品であったことから、各地で作られるようになった。春先親芋から芽が出て10cmほどになったら茎径を植える。夏が過ぎ秋になると収穫となる。
茨城県ひたちなか市の那珂湊や阿字ヶ浦は土壌がサツマイモ栽培に適しており、冬に強い海風が吹く乾燥した気候も干し芋の生産に向いている。また、北海道や東北地方に出荷するのに地の利があることなどもあり、現在は有名な生産地となっている。
干し芋の原料となっているサツマイモの品種は玉豊、いずみ種、玉乙女、紅まさりなどである。主力の玉豊は、他の品種と比べて大型で外皮、肉色とも白く、食感がネットリとしている。生では白いが、干すと飴色になる。
【製造方法】
秋に収穫された原料芋は、土がついたまま寝かし保管する。干す作業に入るのは寒風の吹く11月後半から3月にかけてである。
①蒸す直前に芋をよく荒い、大きさ別に選別して、せいろに並べて蒸す。
②蒸した芋はひとつずつていねいに皮をむく。
③蒸して皮をむいた芋をつき台でスライスする。つき台にはピアノ線、ステンレスの針金を張り、平干し芋は9~12mm幅に、角きり芋は2cm角にスライスする。
④スライスした芋はすだれに並べ、天日で約1週間ほど乾燥する。丸干しの場合は20日ほどかかる。
【栄養と機能性成分】
コレステロールを含まず、食物繊維が多い。ビタミンB1、ビタミンC、カリウムなどを豊富に含んでいる。
【保存と利用方法】
乾燥しすぎるとかたくなり、乾燥が不十分だとカビが発生するので保存するときには湿度管理が重要である。強い直射日光を避け、水分が分離しないように低温保存するのが好ましい。冷凍すれば長期保存が可能である。
かたくなった品は焼くとおいしく食べれるが、熱が冷めると再びかたくなる。最近はカビを防ぐために窒素ガスや脱酸素剤を封入した包装品がある。
ヒルガオ科の多年草であるサツマイモを蒸して切り、乾燥した製品。干し芋の始まりは、1809年(文化6)頃に大藤村(静岡県盤田市)の大庭林蔵と稲垣甚八がサツマイモを蒸して厚切りにして乾燥させる製法を発明してからだといわれている。
そののち、明治41年に茨城県那珂湊(ひたちなか市)での生産が始まった。茨城県に干し芋製造を導入したのは、せんべい屋の湯浅藤吉だといわれている。
秋の味覚の代表であるサツマイモは糖質が多いが、体内に入ると糖質分解酵素が働く。皮の中は黄色をしており、カロチンとビタミンが多く熱に対しても強い。サツマイモを食べると胸焼けをおこしやすい人は、川ごと食べると体内での発酵が抑えられて胸焼けが起こりにくいという。茨城県ではサツマイモが学校給食にも使われている。
【名 称】
乾燥いも、いも切り干しともいう。茨城県と静岡県がおもな産地だが、ほかの地域でも生産されており、呼び名が異なる。愛媛県宇和島では「東山」、長崎県では「かんころ」、熊本県や鹿児島県では芋をスライスする機械をコッパケズリ、コッパキリなどと呼ぶことから「コッパ」と呼ばれているが、いずれも干し芋である。
【生 態】
サツマイモは繁殖力が強く、栽培方法も比較的簡単で収穫量の多い澱粉食品であったことから、各地で作られるようになった。春先親芋から芽が出て10cmほどになったら茎径を植える。夏が過ぎ秋になると収穫となる。
茨城県ひたちなか市の那珂湊や阿字ヶ浦は土壌がサツマイモ栽培に適しており、冬に強い海風が吹く乾燥した気候も干し芋の生産に向いている。また、北海道や東北地方に出荷するのに地の利があることなどもあり、現在は有名な生産地となっている。
干し芋の原料となっているサツマイモの品種は玉豊、いずみ種、玉乙女、紅まさりなどである。主力の玉豊は、他の品種と比べて大型で外皮、肉色とも白く、食感がネットリとしている。生では白いが、干すと飴色になる。
【製造方法】
秋に収穫された原料芋は、土がついたまま寝かし保管する。干す作業に入るのは寒風の吹く11月後半から3月にかけてである。
①蒸す直前に芋をよく荒い、大きさ別に選別して、せいろに並べて蒸す。
②蒸した芋はひとつずつていねいに皮をむく。
③蒸して皮をむいた芋をつき台でスライスする。つき台にはピアノ線、ステンレスの針金を張り、平干し芋は9~12mm幅に、角きり芋は2cm角にスライスする。
④スライスした芋はすだれに並べ、天日で約1週間ほど乾燥する。丸干しの場合は20日ほどかかる。
【栄養と機能性成分】
コレステロールを含まず、食物繊維が多い。ビタミンB1、ビタミンC、カリウムなどを豊富に含んでいる。
【保存と利用方法】
乾燥しすぎるとかたくなり、乾燥が不十分だとカビが発生するので保存するときには湿度管理が重要である。強い直射日光を避け、水分が分離しないように低温保存するのが好ましい。冷凍すれば長期保存が可能である。
かたくなった品は焼くとおいしく食べれるが、熱が冷めると再びかたくなる。最近はカビを防ぐために窒素ガスや脱酸素剤を封入した包装品がある。
2015年8月25日火曜日
干し杏
○干し杏(ほしあんず)
バラ科の落葉中高木であるアンズの実から種を取り除き、乾燥した製品。乾燥果実として販売されている。
アンズの原産地は中国北部、中央アジア、ヒマラヤ西北部である。中国では2000年前以上から種の中にある「杏仁」を収穫し、漢方薬として利用してきた。杏はそののち、中国からヨーロッパ、中東、アフリカに伝わり、18世紀頃にアメリカに渡ったとされている。日本に伝わった時期はわからないが、平安時代の書物に「カラモモ」という和名が記載されている。
本格的に栽培されるようになったのは、ヨーロッパ品種が導入された大正時代からだと思われる。現在、日本で市販されている干し杏は輸入物が大半をしめ、一番多いのは中国産で、日本の品種よりサイズが大きい。
【生 態】
日本で栽培される杏は和アンズ、日本アンズなどで、粒は小さく、色は褐色で時間が経つと黒くなってくる。味は酸味が強い。日本全国で栽培されるが、特に甲信越地方で多く栽培されている。長野県で春早くに花が咲き、6月下旬から7月にかけて実がなる。得に長野県千曲市郊外の森地区、長野市安茂里、倉科地区で栽培が盛んである。
【主な種類】
日本で栽培されているアンズには、平和、昭和、信州大実などの品種があるが、これらはおもに生食用である。干し杏に向く品種は次のものである。
●山形三号
山形県の原産品種で、昭和初期から長野県で栽培されてきた。果実は円形で黄色実がかった橙色をしており、酸味が強いので生食には向かないが、干しアンズやジャムの加工に利用される。
●新潟大実
新潟県の原産品種で、酸味が強く干し杏やジャム、シロップ漬けの加工用として利用されている。円形淡橙色で果肉は40~60g前後である。
【栄養と機能性成分】
βカロチン、カリウムなどを多く含み、高血圧、動脈硬化予防に効果があるといわれる。
【保存と利用方法】
密閉容器かビニール袋、瓶などで保存し、ドライフルーツとして利用する。
バラ科の落葉中高木であるアンズの実から種を取り除き、乾燥した製品。乾燥果実として販売されている。
アンズの原産地は中国北部、中央アジア、ヒマラヤ西北部である。中国では2000年前以上から種の中にある「杏仁」を収穫し、漢方薬として利用してきた。杏はそののち、中国からヨーロッパ、中東、アフリカに伝わり、18世紀頃にアメリカに渡ったとされている。日本に伝わった時期はわからないが、平安時代の書物に「カラモモ」という和名が記載されている。
本格的に栽培されるようになったのは、ヨーロッパ品種が導入された大正時代からだと思われる。現在、日本で市販されている干し杏は輸入物が大半をしめ、一番多いのは中国産で、日本の品種よりサイズが大きい。
【生 態】
日本で栽培される杏は和アンズ、日本アンズなどで、粒は小さく、色は褐色で時間が経つと黒くなってくる。味は酸味が強い。日本全国で栽培されるが、特に甲信越地方で多く栽培されている。長野県で春早くに花が咲き、6月下旬から7月にかけて実がなる。得に長野県千曲市郊外の森地区、長野市安茂里、倉科地区で栽培が盛んである。
【主な種類】
日本で栽培されているアンズには、平和、昭和、信州大実などの品種があるが、これらはおもに生食用である。干し杏に向く品種は次のものである。
●山形三号
山形県の原産品種で、昭和初期から長野県で栽培されてきた。果実は円形で黄色実がかった橙色をしており、酸味が強いので生食には向かないが、干しアンズやジャムの加工に利用される。
●新潟大実
新潟県の原産品種で、酸味が強く干し杏やジャム、シロップ漬けの加工用として利用されている。円形淡橙色で果肉は40~60g前後である。
【栄養と機能性成分】
βカロチン、カリウムなどを多く含み、高血圧、動脈硬化予防に効果があるといわれる。
【保存と利用方法】
密閉容器かビニール袋、瓶などで保存し、ドライフルーツとして利用する。
2015年8月24日月曜日
朴の葉
○朴の葉(ほおのは)
【名 称】
モクレン科の落葉高木であるホオの木の葉を乾燥させた製品。「ほお」は「包」の意味で、古くは大きな朴の葉に食べ物を盛ったことが由来とされている。飛騨高山(岐阜県)や富山県、新潟県、群馬県などでは、朴葉味噌などの郷土料理によく利用されている。
【生 態】
ホオの木は、春先に白い花を咲ける。春から夏にかけて収穫し、乾燥保存しておく。
【保存と利用方法】
湿気を嫌うので缶などに入れて保存する。利用する前には、乾燥した朴の葉を水に10分ほど浸けて戻しておく。七輪に金網を敷き、戻した朴の葉を味噌と山菜や肉を焼くと香ばしい香りと味が楽しめる。
【名 称】
モクレン科の落葉高木であるホオの木の葉を乾燥させた製品。「ほお」は「包」の意味で、古くは大きな朴の葉に食べ物を盛ったことが由来とされている。飛騨高山(岐阜県)や富山県、新潟県、群馬県などでは、朴葉味噌などの郷土料理によく利用されている。
【生 態】
ホオの木は、春先に白い花を咲ける。春から夏にかけて収穫し、乾燥保存しておく。
【保存と利用方法】
湿気を嫌うので缶などに入れて保存する。利用する前には、乾燥した朴の葉を水に10分ほど浸けて戻しておく。七輪に金網を敷き、戻した朴の葉を味噌と山菜や肉を焼くと香ばしい香りと味が楽しめる。
2015年8月21日金曜日
麩
○麩(ふ)
小麦粉に含まれているグルテンという植物性タンパク質を加工した製品。麩は、雪に閉ざされる東北地方などで冬の貴重な蛋白源として重宝されてきた。日本各地に、それぞれの生活からうまれたさまざまな色、形の麩があるが、大別すると現在製造されている麩は、焼き麩と生麩に分けられる。
麩の伝来は不明だが、8~9世紀の中国の文献に「麺筋」と記述されているものが起源ではないかといわれている。当時は仏教の厳しい戒律から、禅僧たちは殺生、肉食を絶っていた。そのために肉に代わるタンパク源をダイズやコムギに求めて、麩をつくり珍重していたという。
南北朝の時代、麩は禅寺の喫茶を楽しむときのお茶請けとして扱われており、一休和尚が麩の普及に尽くしたとも伝えられている。江戸時代初期には、隠元禅師が普茶料理を広め、さらに麩の製造業者もうまれて、庶民も麩を食すようになった。
さらに1859年(安政6)の開港とともに精白小麦粉が日本に輸入され、生地が滑らかになり、初めて鉄板の上で焼く焼き麩が一般市民の食生活に受け入れられるようになった。
【製造方法】
①小麦粉に水または食塩水を加えて長時間練りながら上水を取り替え、澱粉質を洗い流し、ネバネバした弾力のあるグルテンを取り出す。
②グルテンに小麦粉や米粉を混ぜる。製品によって粉の種類や配合が異なる。
③よく練って熟成、細工、成型する。
④焼成する
⑤選別、検査、切断する。
【主な種類】
●車麩
麩の生地を直火で焼成した製品。麩の生地を鉄棒にまきつけて焼く。新潟県のほか北陸、東北地方で生産されている。
●庄内麩
麩の生地をバーナーで焼いて板状にした製品。岩手県、山形県、秋田県など日本海側で生産されている。
●南部板麩
青森県、岩手県、宮城県の太平洋側で生産されている板状の麩。
●饅頭麩
麩の生地をお饅頭のようなかたちに丸めて成型した製品。青森県、山形県、新潟県など日本海側で生産されている。
●案平麩
麩の生地を丸餅のように大きくふっくらとしたかたちに成型して焼いた製品。山口県では、仏事の供え物として利用されている。
●手毬麩
五色に紅染めした生麩を丸めて手毬のかたちにした製品。石川県、岐阜県、京都府で生産されている。
●餅麩
グルテンに餅粉を加えてつくった製品。おもに京都府、滋賀県、大阪府で生産されている。
●松茸麩、丁子麩、花麩
麩の生地を成型型に入れて焼いた製品。滋賀県、京都府などの西日本で生産されている。
●圧縮麩
麩の生地を蒸して圧縮した製品。沖縄県や全国でチャンプルを作るときに利用されている。
●すだれ麩
グルテンを蒸した状態の生麩をすだれに延ばして包んで、加熱してから乾燥した製品。石川県で生産されている。
以上の麩はすべて材料をオーブンで焼成(蒸し焼き)するタイプの麩である。このほか小町麩、観世麩、卵麩、白玉麩などがおもに関東地方、東北地方、北海道で生産されている。また、京都府などでは生麩が精進料理に多く利用され、手まり、もみじ、桜花、よもぎなどに成形し、色付けしたものが各地で作られている。
【栄養と機能性成分】
麩は植物性タンパク質とミネラルが豊富で、パンや乾麺などの2~3倍含まれており、脂質、塩分は少ない。麩はリジンの多いダイズ製品と組み合わせるとアミノ酸バランスがよくなるうえ、麩には少ないカルシウムも補える。
【保存は利用方法】
湿気を嫌うので密閉容器などに入れて保存する。仙台麩のように油で揚げたものは酸化しやすいので早めに使うこと。麩は水に浸ければすぐに戻すことができる。お吸い物などに利用する場合は、戻さずに直接入れて使うことができるため利用範囲は広い。
日本料理のほかにも中華料理や沖縄料理の炒め物の材料として、また黒砂糖を表面につけた麩坊や麩かりんとうなどのお菓子にも利用されている。
小麦粉に含まれているグルテンという植物性タンパク質を加工した製品。麩は、雪に閉ざされる東北地方などで冬の貴重な蛋白源として重宝されてきた。日本各地に、それぞれの生活からうまれたさまざまな色、形の麩があるが、大別すると現在製造されている麩は、焼き麩と生麩に分けられる。
麩の伝来は不明だが、8~9世紀の中国の文献に「麺筋」と記述されているものが起源ではないかといわれている。当時は仏教の厳しい戒律から、禅僧たちは殺生、肉食を絶っていた。そのために肉に代わるタンパク源をダイズやコムギに求めて、麩をつくり珍重していたという。
南北朝の時代、麩は禅寺の喫茶を楽しむときのお茶請けとして扱われており、一休和尚が麩の普及に尽くしたとも伝えられている。江戸時代初期には、隠元禅師が普茶料理を広め、さらに麩の製造業者もうまれて、庶民も麩を食すようになった。
さらに1859年(安政6)の開港とともに精白小麦粉が日本に輸入され、生地が滑らかになり、初めて鉄板の上で焼く焼き麩が一般市民の食生活に受け入れられるようになった。
【製造方法】
①小麦粉に水または食塩水を加えて長時間練りながら上水を取り替え、澱粉質を洗い流し、ネバネバした弾力のあるグルテンを取り出す。
②グルテンに小麦粉や米粉を混ぜる。製品によって粉の種類や配合が異なる。
③よく練って熟成、細工、成型する。
④焼成する
⑤選別、検査、切断する。
【主な種類】
●車麩
麩の生地を直火で焼成した製品。麩の生地を鉄棒にまきつけて焼く。新潟県のほか北陸、東北地方で生産されている。
●庄内麩
麩の生地をバーナーで焼いて板状にした製品。岩手県、山形県、秋田県など日本海側で生産されている。
●南部板麩
青森県、岩手県、宮城県の太平洋側で生産されている板状の麩。
●饅頭麩
麩の生地をお饅頭のようなかたちに丸めて成型した製品。青森県、山形県、新潟県など日本海側で生産されている。
●案平麩
麩の生地を丸餅のように大きくふっくらとしたかたちに成型して焼いた製品。山口県では、仏事の供え物として利用されている。
●手毬麩
五色に紅染めした生麩を丸めて手毬のかたちにした製品。石川県、岐阜県、京都府で生産されている。
●餅麩
グルテンに餅粉を加えてつくった製品。おもに京都府、滋賀県、大阪府で生産されている。
●松茸麩、丁子麩、花麩
麩の生地を成型型に入れて焼いた製品。滋賀県、京都府などの西日本で生産されている。
●圧縮麩
麩の生地を蒸して圧縮した製品。沖縄県や全国でチャンプルを作るときに利用されている。
●すだれ麩
グルテンを蒸した状態の生麩をすだれに延ばして包んで、加熱してから乾燥した製品。石川県で生産されている。
以上の麩はすべて材料をオーブンで焼成(蒸し焼き)するタイプの麩である。このほか小町麩、観世麩、卵麩、白玉麩などがおもに関東地方、東北地方、北海道で生産されている。また、京都府などでは生麩が精進料理に多く利用され、手まり、もみじ、桜花、よもぎなどに成形し、色付けしたものが各地で作られている。
【栄養と機能性成分】
麩は植物性タンパク質とミネラルが豊富で、パンや乾麺などの2~3倍含まれており、脂質、塩分は少ない。麩はリジンの多いダイズ製品と組み合わせるとアミノ酸バランスがよくなるうえ、麩には少ないカルシウムも補える。
【保存は利用方法】
湿気を嫌うので密閉容器などに入れて保存する。仙台麩のように油で揚げたものは酸化しやすいので早めに使うこと。麩は水に浸ければすぐに戻すことができる。お吸い物などに利用する場合は、戻さずに直接入れて使うことができるため利用範囲は広い。
日本料理のほかにも中華料理や沖縄料理の炒め物の材料として、また黒砂糖を表面につけた麩坊や麩かりんとうなどのお菓子にも利用されている。
2015年8月20日木曜日
鶏児豆
○鶏児豆(ひよこまめ)
マメ酢の一年草であるヒヨコマメの種子を乾燥させた製品。おもにインドやパキスタンなどで栽培されている。近年は、わずかではあるがカナダや日本でも栽培されている。
スープやカレーに入れたり、煮豆、甘納豆、スナック菓子などに利用されている。ガルバンゾー(スペイン語)の名で呼ばれることも多い。
マメ酢の一年草であるヒヨコマメの種子を乾燥させた製品。おもにインドやパキスタンなどで栽培されている。近年は、わずかではあるがカナダや日本でも栽培されている。
スープやカレーに入れたり、煮豆、甘納豆、スナック菓子などに利用されている。ガルバンゾー(スペイン語)の名で呼ばれることも多い。
2015年8月18日火曜日
稗
○稗(ひえ)
イネ科の一年草であるヒエの種子を乾燥させた製品。日本では古くからキビ、アワなどと同様に重要な主食作物として作られてきた。米より短期間で収穫できるとともに、荒地でも育つことから、五穀豊穣作物として重要な役割を果たしてきた。宮中の新嘗祭にも献上される。また、アイヌでも神聖な穀物とされた。アイヌ語ではピパヤと呼ぶ。
【生 態】
特に寒冷な土地や痩せた土地でもよく実り、ムギやダイズと輪作されてきた。茎は飼料として利用される。おかゆ、ねりもちとして主食として食べられ、ほかの雑穀と混ぜた五穀米などの需要がある。
【栄養と機能性成分】
タンパク質は米やムギより良質でカルシウム、ビタミンB群を多く含んでいる。
【保存方法】
開封した稗は、密閉容器に入れ冷暗保存する。
イネ科の一年草であるヒエの種子を乾燥させた製品。日本では古くからキビ、アワなどと同様に重要な主食作物として作られてきた。米より短期間で収穫できるとともに、荒地でも育つことから、五穀豊穣作物として重要な役割を果たしてきた。宮中の新嘗祭にも献上される。また、アイヌでも神聖な穀物とされた。アイヌ語ではピパヤと呼ぶ。
【生 態】
特に寒冷な土地や痩せた土地でもよく実り、ムギやダイズと輪作されてきた。茎は飼料として利用される。おかゆ、ねりもちとして主食として食べられ、ほかの雑穀と混ぜた五穀米などの需要がある。
【栄養と機能性成分】
タンパク質は米やムギより良質でカルシウム、ビタミンB群を多く含んでいる。
【保存方法】
開封した稗は、密閉容器に入れ冷暗保存する。
2015年8月15日土曜日
ビーフン
○ビーフン(米粉)
【名 称】
糯米を原料とした麺状の製品。中国や台湾でおもに生産されている。台湾や中国福建省南部ではビーフン、北京語ではミーフエン、ベトナム語ではブン、タイ語ではセン・ミーなどと呼ぶ。東南アジアでは盛んに食されている。
中国産のビーフンはもろく、折れやすいので、日本では原料の米の品種を変え、澱粉を配合して麺を強くし、食味を強くしたビーフンが作られるようになった。日本のビーフン市場の多くは神戸のケンミン食品株式会社が占めている。
【製造方法】
台湾では新竹市がビーフンの生産地として有名である。新竹はビーフンを乾燥させるのに最適な、冷たく乾燥した季節風が吹くことから生産が盛んになり、アメリカや日本にビーフンを輸出している。中国の桂林が原産の「桂林米粉」は切り口が丸く、太い。平たいものは切粉チェーフンという。基本的な製造方法は次の通り。
①糯米を水につけてやわらかくしてから、粉砕し脱水する。
②蒸して細い穴から圧力をかけて押し出し麺状にする。
③押し出した麺をもう一度蒸してから乾燥させる。
【利用方法】
肉などさまざまな具と混ぜて食べる。豚肉のスープを注ぎ入れた「湯粉」、炒めた「炒粉」のほか、シンガポール、ミャンマーなど地域によっていろいろな食べ方がある。日本では台湾や中国福建省と同様に野菜や肉類など具材と一緒に炒めた焼きビーブンが一般的である。
【名 称】
糯米を原料とした麺状の製品。中国や台湾でおもに生産されている。台湾や中国福建省南部ではビーフン、北京語ではミーフエン、ベトナム語ではブン、タイ語ではセン・ミーなどと呼ぶ。東南アジアでは盛んに食されている。
中国産のビーフンはもろく、折れやすいので、日本では原料の米の品種を変え、澱粉を配合して麺を強くし、食味を強くしたビーフンが作られるようになった。日本のビーフン市場の多くは神戸のケンミン食品株式会社が占めている。
【製造方法】
台湾では新竹市がビーフンの生産地として有名である。新竹はビーフンを乾燥させるのに最適な、冷たく乾燥した季節風が吹くことから生産が盛んになり、アメリカや日本にビーフンを輸出している。中国の桂林が原産の「桂林米粉」は切り口が丸く、太い。平たいものは切粉チェーフンという。基本的な製造方法は次の通り。
①糯米を水につけてやわらかくしてから、粉砕し脱水する。
②蒸して細い穴から圧力をかけて押し出し麺状にする。
③押し出した麺をもう一度蒸してから乾燥させる。
【利用方法】
肉などさまざまな具と混ぜて食べる。豚肉のスープを注ぎ入れた「湯粉」、炒めた「炒粉」のほか、シンガポール、ミャンマーなど地域によっていろいろな食べ方がある。日本では台湾や中国福建省と同様に野菜や肉類など具材と一緒に炒めた焼きビーブンが一般的である。
2015年8月12日水曜日
パン粉
○パン粉(ぱんこ)
パンを細かく砕いて乾燥させた製品。生パン粉、ソフトパン粉、乾燥パン粉などの種類があるが、どれも水分量を調節したもので、乾物屋が扱っている。揚げ物の衣やハンバーグに練りこんで利用されている。
パン粉を使った揚げ物は、オーストラリア料理のウインナシュニッツェルが始まりといわれており、日本では明治時代に「洋食」として、西洋文化とともに独自の発展をとげた。欧州ではかつて油が貴重品であったため、油で揚げる料理は少ない。ウインナシュニッツェルは牛肉を薄く延ばして砕いたパンにまぶし、油をひいた鍋で焼く料理である。これがビーフカツとなり、トンカツに発展したといわれている。
明治時代、肉や魚にパン粉をつけて、てんぷらのように揚げたものが洋食店で出始めた。洋食店で揚げ物がよく作られるようになると、1907年(明治40)に丸山寅吉がパン粉専業の製造販売業者となったのを皮切りに、製造業者が増えていった。
戦後は、食生活の洋風化にともない口当たりの軽いパン粉が作られるようになり、トンカツ、エビフライ、カキフライなどの衣として中身の素材を引き出す日本独特の洋食として代表的なものになった。そののち冷凍食品、調理加工食品、外食産業など多くの材料に使われるようになった。またハンバーグ、ミートボール、コロッケなどの練りこみ用に利用されている。
【製造方法】
①まずパンを焼く。小麦粉とイースト菌などの副材料を混合し、パン生地を作る。②生地を発酵させてから丸めて型に入れて焼く。焙焼式の場合、オーブンを使って火で焼くため、ふっくらとした焼き色が付く。電極式の場合、電気で焼くため、焼き色がなく蒸しパンのような仕上がりになる。③焼きあがったら冷蔵庫で冷やし、水分を均一化させる。④回転する粉砕機でパンを細かくする。
【主な種類】
●生パン粉
パンを規定粒度に粉砕し、水分を30~35%含んでいる製品。食感のよさが好まれている。
●乾燥パン粉
水分が11~13%のため、保存性、作業性が高い。
●カラーパン粉
生地を作るときに着色料を添加して色を付けた製品。揚げ色がよくなり、長時間おいても揚げ色が変わらず退色しにくい。
●ミックスパン粉
焼き目をつけずに仕上げた白パン粉とカラーパン粉を任意の割合でミックスした製品。
●プレッダーパン粉
かための生地をロールで帯状に延ばして、オーブンと高周波で連続して過熱し焼成した、アメリカンタイプのクラッカーパン粉。
【保存と利用方法】
乾燥パン粉は吸湿しやすいので、高温多湿の場所を避け乾燥した風通しのよいところで保存する。開封後は冷蔵庫で保存し、虫が付きやすい食品と同じ所におかない。パン粉は、家庭でも簡単に作ることができる。食パンの耳の部分を集めてフードプロセッサーやチーズおろし器などを使った粉にすればでき上がる。
パンを細かく砕いて乾燥させた製品。生パン粉、ソフトパン粉、乾燥パン粉などの種類があるが、どれも水分量を調節したもので、乾物屋が扱っている。揚げ物の衣やハンバーグに練りこんで利用されている。
パン粉を使った揚げ物は、オーストラリア料理のウインナシュニッツェルが始まりといわれており、日本では明治時代に「洋食」として、西洋文化とともに独自の発展をとげた。欧州ではかつて油が貴重品であったため、油で揚げる料理は少ない。ウインナシュニッツェルは牛肉を薄く延ばして砕いたパンにまぶし、油をひいた鍋で焼く料理である。これがビーフカツとなり、トンカツに発展したといわれている。
明治時代、肉や魚にパン粉をつけて、てんぷらのように揚げたものが洋食店で出始めた。洋食店で揚げ物がよく作られるようになると、1907年(明治40)に丸山寅吉がパン粉専業の製造販売業者となったのを皮切りに、製造業者が増えていった。
戦後は、食生活の洋風化にともない口当たりの軽いパン粉が作られるようになり、トンカツ、エビフライ、カキフライなどの衣として中身の素材を引き出す日本独特の洋食として代表的なものになった。そののち冷凍食品、調理加工食品、外食産業など多くの材料に使われるようになった。またハンバーグ、ミートボール、コロッケなどの練りこみ用に利用されている。
【製造方法】
①まずパンを焼く。小麦粉とイースト菌などの副材料を混合し、パン生地を作る。②生地を発酵させてから丸めて型に入れて焼く。焙焼式の場合、オーブンを使って火で焼くため、ふっくらとした焼き色が付く。電極式の場合、電気で焼くため、焼き色がなく蒸しパンのような仕上がりになる。③焼きあがったら冷蔵庫で冷やし、水分を均一化させる。④回転する粉砕機でパンを細かくする。
【主な種類】
●生パン粉
パンを規定粒度に粉砕し、水分を30~35%含んでいる製品。食感のよさが好まれている。
●乾燥パン粉
水分が11~13%のため、保存性、作業性が高い。
●カラーパン粉
生地を作るときに着色料を添加して色を付けた製品。揚げ色がよくなり、長時間おいても揚げ色が変わらず退色しにくい。
●ミックスパン粉
焼き目をつけずに仕上げた白パン粉とカラーパン粉を任意の割合でミックスした製品。
●プレッダーパン粉
かための生地をロールで帯状に延ばして、オーブンと高周波で連続して過熱し焼成した、アメリカンタイプのクラッカーパン粉。
【保存と利用方法】
乾燥パン粉は吸湿しやすいので、高温多湿の場所を避け乾燥した風通しのよいところで保存する。開封後は冷蔵庫で保存し、虫が付きやすい食品と同じ所におかない。パン粉は、家庭でも簡単に作ることができる。食パンの耳の部分を集めてフードプロセッサーやチーズおろし器などを使った粉にすればでき上がる。
2015年8月11日火曜日
春雨
○春雨(はるさめ)
【名 称】
馬鈴薯澱粉や、マメ科の一年草であるリョクトウを加工し、加熱して麺状にしたものを凍結し、乾燥させた製品。白く透明な姿が春に降る細長い雨を連想させるため「春雨」と名付けられたといわれる。
春雨は日本名で、中国では「粉状・粉絲」、韓国では「タンミョン」と呼ばれる。昭和初期には、「豆麺」という名で輸入されていた。そののち、サツマイモ、ジャガイモの澱粉を原料にして、奈良・三輪地区の素麺業者が、手延素麺の閑職期の副業として生産するようになった。
【生 態】
リョクトウはインドで栽培されたのが始まりとされている。世界各地で栽培されており、日本では中国すら伝わって栽培が始まったが、現在ではほとんど栽培されていない。
【製造方法】
薩摩芋澱粉、じゃがいも澱粉、コーンスターチなどを配合した製造する。
●凍結春雨
日本で製造される春雨のほとんどは凍結春雨である。①原料を配合して熱を加え、澱粉をアルファー化する。②小さい穴から熱湯のなかにたらしこんで茹でる。③完全にアルファー化したら水で冷やし、水の中を泳がせながら棒にかけて引き上げる。④冷凍庫で保存する。⑤凍結した春雨を天日乾燥(室内乾燥)する。
●非凍結春雨
中国で製造される春雨のほとんどは、リョクトウの澱粉を原料とした非凍結春雨である。細い形状は凍結春雨と同様だが、純白で透明、光沢があり、一定の太さで細いウェーブがある。代表的なブランドに「龍口春雨」がある。
日本で市販されている「マロニー」はこれの一種である。①混合した澱粉乳をステンレスのベルトの上に流す。②薄い膜状にして熱を加えアルファー化する。③巻き取って数時間熟成させてから製麺機で麺状に裁断する。④乾燥させる。
さらに透明感を出すときには、ソラマメの澱粉を20%くらい混入させることもある(スープ春雨用など)。韓国冷麺は馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉に蕎麦粉を入れた非凍結麺で、春雨ではない。
【保存と利用方法】
春雨は濡らさない限り、カビ、害虫の発生はない。寒い季節には、かしわの水炊き、サブシャブなどの鍋料理に、そのほか、酢の物、サラダ、マーボー豆腐中華炒めに利用される。また夏に素麺のようにして食べられている。
【名 称】
馬鈴薯澱粉や、マメ科の一年草であるリョクトウを加工し、加熱して麺状にしたものを凍結し、乾燥させた製品。白く透明な姿が春に降る細長い雨を連想させるため「春雨」と名付けられたといわれる。
春雨は日本名で、中国では「粉状・粉絲」、韓国では「タンミョン」と呼ばれる。昭和初期には、「豆麺」という名で輸入されていた。そののち、サツマイモ、ジャガイモの澱粉を原料にして、奈良・三輪地区の素麺業者が、手延素麺の閑職期の副業として生産するようになった。
【生 態】
リョクトウはインドで栽培されたのが始まりとされている。世界各地で栽培されており、日本では中国すら伝わって栽培が始まったが、現在ではほとんど栽培されていない。
【製造方法】
薩摩芋澱粉、じゃがいも澱粉、コーンスターチなどを配合した製造する。
●凍結春雨
日本で製造される春雨のほとんどは凍結春雨である。①原料を配合して熱を加え、澱粉をアルファー化する。②小さい穴から熱湯のなかにたらしこんで茹でる。③完全にアルファー化したら水で冷やし、水の中を泳がせながら棒にかけて引き上げる。④冷凍庫で保存する。⑤凍結した春雨を天日乾燥(室内乾燥)する。
●非凍結春雨
中国で製造される春雨のほとんどは、リョクトウの澱粉を原料とした非凍結春雨である。細い形状は凍結春雨と同様だが、純白で透明、光沢があり、一定の太さで細いウェーブがある。代表的なブランドに「龍口春雨」がある。
日本で市販されている「マロニー」はこれの一種である。①混合した澱粉乳をステンレスのベルトの上に流す。②薄い膜状にして熱を加えアルファー化する。③巻き取って数時間熟成させてから製麺機で麺状に裁断する。④乾燥させる。
さらに透明感を出すときには、ソラマメの澱粉を20%くらい混入させることもある(スープ春雨用など)。韓国冷麺は馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉に蕎麦粉を入れた非凍結麺で、春雨ではない。
【保存と利用方法】
春雨は濡らさない限り、カビ、害虫の発生はない。寒い季節には、かしわの水炊き、サブシャブなどの鍋料理に、そのほか、酢の物、サラダ、マーボー豆腐中華炒めに利用される。また夏に素麺のようにして食べられている。
2015年8月9日日曜日
唐辛子
○唐辛子(とうがらし)
ナス科の一年草であるトウガラシの果実を乾燥させた製品。トウガラシは比較的どんな土壌にも適応し栽培が簡単なため、世界中で栽培され香辛料として多くの人に愛用されている。配合比率で利用目的も異なる。
日本では東北地方、北陸地方、東海地方などの各地ではナンバンといい、岐阜県、島根県、京都府、九州地方ではコショウ、また福島県会津地方ではカラシなど呼び名が異なる。浅草寺や善光寺、清水寺など、寺院の門前には唐辛子屋があることが多い。これは昔、お参りに行くのにお金をかけてしまった人でも買えるほど、唐辛子が安価だったため、という言い伝えがある。
長野県の代表的な観光地である善光寺は、「牛に引かれて善光寺参り」という言葉もあるように、週末ともなると全国から参拝者が訪れる。なかでも門前にある八幡礒五郎は七味唐辛子が有名で、参拝者たちにも人気の店である。八幡礒五郎の歴史は古く、長野市の郊外にある鬼無里村の商人がアサと和紙を江戸に運び、かさばらない七味唐辛子を持ち帰り、初代勘右衛門がその七味唐辛子を善光寺の境内で売り始めたのがはじまりといわれている。
そののち、1707年(宝永4)に火災で焼失した善光寺の再建が行われ、冬の寒い中作業をする大工や作業員のべ20万人に七味唐辛子を入れた味噌汁を振舞ったところ、作業がはかどり七味唐辛子が耐寒食料としてよく売れるようになったという逸話が残っている。
江戸の七味唐辛子は乾燥陳皮(ミカンの皮)、胡麻、山椒、麻の実、あぶり唐辛子、芥子の実、生唐辛子の7種類で作られていたが、八幡礒五郎は生唐辛子と芥子の実は使わず、生姜と青紫蘇を使い独特の味を作り出した。いまでは、信州蕎麦などの薬味に欠かせない香辛料となっている。
また、唐辛子は、ペルーやメキシコの複数の遺跡から出土しており、紀元前から栽培されていたのではないかとみられている。そののち、コロンブスによってヨーロッパに持ち帰られ、17世紀にポルトガル人によってアジア、中国に伝えられたという。日本には同じ頃ポルトガル人によってタバコとともに伝えられたという説と、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵したときに持ち帰ったという説などがある。
【生 態】
トウガラシはアメリカの熱帯地域が原産地といわれている。辛味種と甘味種に大別され、辛味種を欧米ではチリペッパーといい、日本では甘味種の一種をピーマンと呼んでいる。春先に種をまくか苗を植えて、晩秋に収穫する。
●鷹の爪
日本の乾物店にある辛味唐辛子の代表。形状が鷹の爪に見えることから名づけられた。果実が3~4cmのものが多い。乾燥させて保存し、漬物や七味唐辛子などに幅広く利用されている。主な産地は栃木県である。
●八つ房唐辛子
ひとつの房に10個もの実がまとまって、上を向いている。鷹の爪より太く長いが辛味はやや劣る。枝のまま乾燥した観賞用としても楽しめる。
●島唐辛子(キダチ唐辛子)
沖縄補地方で栽培されている。泡盛などにつけて調味料として販売されている。
●伏見唐辛子
京都の伏見地区の在来種で果肉は10~12cmくらい。細長いかたちをしている。丸ごと焼いたり、てんぷら、煮物などに利用される。
●万願寺唐辛子
伏見唐辛子と大型ピーマンのカルフォルニア・ワンダーとの交配で、果実の大きさは15cm以上にもなる肉厚で美味しい甘味種。京都の舞鶴万願寺地区固有品種である。
●日光唐辛子
果実は10~15cmと細長い。輪切りにして生食のほか、中華料理や加工用など、さまざまな場面で利用される便利な中辛唐辛子。
【加工品】
●七味唐辛子
香辛料として各種珍味、薬味を配合したもので配合は各業者によって違いはあるが唐辛子粉、黒胡麻、山椒、芥子の実、麻の実、陳皮、青海苔など7種類を混合したものである。浅草の「やげん堀」、長野市の「八幡屋礒五郎」、京都府清水の「七味家本舗」などが有名。
●一味唐辛子
七味唐辛子より辛い。さまざまな種類の唐辛子を配合した薬味で、用途は七味唐辛子にているが、キムチ漬けなどにも利用される。
【栄養と機能性成分】
辛味成分であるカプサイシンがエネルギー代謝を活発にして、食欲増進・発汗作用をもたらすといわれている。発汗によって体温が下がるため、特に暖かい地方で好まれている。炭水化物の消化を助ける働きもあるという。
【保存と利用方法】
長時間保存すると香気が抜け、害虫が発生するので、湿気を避けて瓶などに入れて保存する。和食のきんぴら、漬物、野菜炒めのほか、中華料理、韓国料理と利用範囲は広い。小さく切るほど辛味が増す。ぬるま湯に浸して戻すと刻みやすい。種の周りの内壁部分に強い辛味があるため、辛味を抑えたいときは種を抜いてから調理するとよい。
ナス科の一年草であるトウガラシの果実を乾燥させた製品。トウガラシは比較的どんな土壌にも適応し栽培が簡単なため、世界中で栽培され香辛料として多くの人に愛用されている。配合比率で利用目的も異なる。
日本では東北地方、北陸地方、東海地方などの各地ではナンバンといい、岐阜県、島根県、京都府、九州地方ではコショウ、また福島県会津地方ではカラシなど呼び名が異なる。浅草寺や善光寺、清水寺など、寺院の門前には唐辛子屋があることが多い。これは昔、お参りに行くのにお金をかけてしまった人でも買えるほど、唐辛子が安価だったため、という言い伝えがある。
長野県の代表的な観光地である善光寺は、「牛に引かれて善光寺参り」という言葉もあるように、週末ともなると全国から参拝者が訪れる。なかでも門前にある八幡礒五郎は七味唐辛子が有名で、参拝者たちにも人気の店である。八幡礒五郎の歴史は古く、長野市の郊外にある鬼無里村の商人がアサと和紙を江戸に運び、かさばらない七味唐辛子を持ち帰り、初代勘右衛門がその七味唐辛子を善光寺の境内で売り始めたのがはじまりといわれている。
そののち、1707年(宝永4)に火災で焼失した善光寺の再建が行われ、冬の寒い中作業をする大工や作業員のべ20万人に七味唐辛子を入れた味噌汁を振舞ったところ、作業がはかどり七味唐辛子が耐寒食料としてよく売れるようになったという逸話が残っている。
江戸の七味唐辛子は乾燥陳皮(ミカンの皮)、胡麻、山椒、麻の実、あぶり唐辛子、芥子の実、生唐辛子の7種類で作られていたが、八幡礒五郎は生唐辛子と芥子の実は使わず、生姜と青紫蘇を使い独特の味を作り出した。いまでは、信州蕎麦などの薬味に欠かせない香辛料となっている。
また、唐辛子は、ペルーやメキシコの複数の遺跡から出土しており、紀元前から栽培されていたのではないかとみられている。そののち、コロンブスによってヨーロッパに持ち帰られ、17世紀にポルトガル人によってアジア、中国に伝えられたという。日本には同じ頃ポルトガル人によってタバコとともに伝えられたという説と、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵したときに持ち帰ったという説などがある。
【生 態】
トウガラシはアメリカの熱帯地域が原産地といわれている。辛味種と甘味種に大別され、辛味種を欧米ではチリペッパーといい、日本では甘味種の一種をピーマンと呼んでいる。春先に種をまくか苗を植えて、晩秋に収穫する。
●鷹の爪
日本の乾物店にある辛味唐辛子の代表。形状が鷹の爪に見えることから名づけられた。果実が3~4cmのものが多い。乾燥させて保存し、漬物や七味唐辛子などに幅広く利用されている。主な産地は栃木県である。
●八つ房唐辛子
ひとつの房に10個もの実がまとまって、上を向いている。鷹の爪より太く長いが辛味はやや劣る。枝のまま乾燥した観賞用としても楽しめる。
●島唐辛子(キダチ唐辛子)
沖縄補地方で栽培されている。泡盛などにつけて調味料として販売されている。
●伏見唐辛子
京都の伏見地区の在来種で果肉は10~12cmくらい。細長いかたちをしている。丸ごと焼いたり、てんぷら、煮物などに利用される。
●万願寺唐辛子
伏見唐辛子と大型ピーマンのカルフォルニア・ワンダーとの交配で、果実の大きさは15cm以上にもなる肉厚で美味しい甘味種。京都の舞鶴万願寺地区固有品種である。
●日光唐辛子
果実は10~15cmと細長い。輪切りにして生食のほか、中華料理や加工用など、さまざまな場面で利用される便利な中辛唐辛子。
【加工品】
●七味唐辛子
香辛料として各種珍味、薬味を配合したもので配合は各業者によって違いはあるが唐辛子粉、黒胡麻、山椒、芥子の実、麻の実、陳皮、青海苔など7種類を混合したものである。浅草の「やげん堀」、長野市の「八幡屋礒五郎」、京都府清水の「七味家本舗」などが有名。
●一味唐辛子
七味唐辛子より辛い。さまざまな種類の唐辛子を配合した薬味で、用途は七味唐辛子にているが、キムチ漬けなどにも利用される。
【栄養と機能性成分】
辛味成分であるカプサイシンがエネルギー代謝を活発にして、食欲増進・発汗作用をもたらすといわれている。発汗によって体温が下がるため、特に暖かい地方で好まれている。炭水化物の消化を助ける働きもあるという。
【保存と利用方法】
長時間保存すると香気が抜け、害虫が発生するので、湿気を避けて瓶などに入れて保存する。和食のきんぴら、漬物、野菜炒めのほか、中華料理、韓国料理と利用範囲は広い。小さく切るほど辛味が増す。ぬるま湯に浸して戻すと刻みやすい。種の周りの内壁部分に強い辛味があるため、辛味を抑えたいときは種を抜いてから調理するとよい。
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